柿がたくさんとれる時期になると、そのまま食べるだけでは腐らせてしまうこともあるので「干し柿を作ろう!」となることも。
うちは祖母の家に柿の木があるので毎年たくさんの柿がとれます。
美味しい干し柿には表面に柿霜(しそう)と呼ばれる「白い粉」がたっぷりついていますよね。
ですが手作りの干し柿にはなかなか白い粉がつかない!なんてことも。
そこで、干し柿の白い粉の出し方で一番簡単な方法は、「冷蔵庫をフル活用して作る!」というもの!
こちらの記事では干し柿の表面の白い粉の出し方、冷凍庫や冷蔵庫を活用した吹かせ方、カビとの見分け方や成分のちがい、干し柿の賞味期限と長期保存方法、白い粉が溶けるとどうなるか?をご紹介しています!
干し柿の白い粉の出し方は?
まずは柿を干すところからポイントをおさらい!
あまーい干し柿を作るためには甘柿を使うと考える方も多いと思いますが、実は渋柿を使うのが一番のポイント!
なぜかというと、甘柿が糖度16度くらいなのに対し、渋柿は20度といわれています!
「なんであんなに苦い渋柿のほうが糖度が高いの?」と思いますよね。
それは、柿に含まれる「タンニン」という苦味成分が甘柿は不溶性なのに対して渋柿は水溶性だからなんです。
水溶性であるタンニンを口の中に入れたら、唾液でタンニンが溶けるので「にがーーーーい!!!」となってしまうんです。
でも実はたくさんの甘みも隠しているのが渋柿さん。
なのでまず「渋柿でつくる」というポイントを忘れないでくださいね!
そしてもう一つのポイントが、干しはじめて3〜7日間くらい経ったら、たわしなどでこすって小さな傷をつけることです。(食べ物用のたわしがなかったら、未使用の歯ブラシなんかで代用してもOKです!)
こうして小さな傷をつけることで、中の糖分が出やすくなるというのが白い粉の付け方のポイント!
通常、干し柿は3週間くらい干し続けて完成し、普通に干しているだけで白い粉(柿霜)がつく場合もあります。
干しているとだんだん柿の水分が外に出てくるのですが、その時に一緒に糖分も出ます。
これが冷えると結晶となり、干し柿を美味しくしてくれる柿霜になるわけです。
ただ、干すだけで柿霜を出すには寒い地域であることが絶対条件になってしまいます。
少なくとも10度以下という条件。
干し柿を作るベストな時期は11月ごろなんですが、私の住んでいる地域だと11月は最低気温こそ10度を下回りますが、最高気温は20度を超えちゃいます!
これでは当然、柿霜が自然には出てきてくれません。
そこで冷凍庫や冷蔵庫を使った柿霜の出し方をご紹介します!!
冷凍庫と冷蔵庫を活用した吹かせ方
一番おすすめの方法は、「干すときからすべて冷蔵庫」という作り方。
外に干すとなると干す場所によっては虫が飛んできたりずっと注意が必要ですよね。
でも部屋干しするのも見た目などが気になってしまったり。
そこで冷蔵庫の一番広いスペースにつっぱり棒を数本渡し、そこに柿を吊るします。
冷蔵庫の中は一般的に7度程度なので、干し柿を干すのに最適な10度以下という条件を満たすことができます。
約30〜45日ほどで干し柿が完成。
ずっと低温に保たれている冷蔵庫内で作ることで、外気ではつきづらい柿霜(白い粉)がつきやすくなります。
冷蔵庫の中でも、干す場所は手前のドアポケットより奥のほうが冷気が保たれているのでおすすめ。
冷蔵庫の中に干し柿を干すスペースを十分に取ることは難しいかもしれませんが、もし空いている場合は冷蔵庫の中で作るのがとても簡単でおすすめです!
また、冷凍庫の中に入れた粉の吹かせ方も同様の原理で、温度を低音に保つことで白い粉を吹かせることができます!
冷凍庫に干し柿を入れるときのポイントは「干し柿の賞味期限と長期保存方法」のところでまとめているので参考にしてみてください。
干し柿の白い粉とカビの違いや見分け方
干し柿の白い粉の正体は「果糖とブドウ糖の結晶」。
なので食べてもまったく問題のない成分のものですね。
食べれるものだということがわかっていますが、気になるのは「白い粉が柿霜(しそう)じゃなくてカビだったらどうしよう?!」という点。
もし干し柿にカビが生えるとしたら、可能性として高いのは白カビより青カビや緑の斑点状のカビなんです。
青や緑の点々が表面にできていたらそれは食べるのをやめてくださいね。
また、万が一白いカビが生えるとしたらやわらかいわたげのようなふわっとしたものになります。
糖分の結晶である柿霜とは見た目から違うんですね。
もし少しでも食べれるかどうか不安な場合は食べるのをやめることをおすすめしますが、干し柿にカビが生えるとしたら青や緑が多いということを覚えておいてくださいね!
干し柿の賞味期限と長期保存方法
干し柿の賞味期限はどのくらいなのか?
常温・冷蔵・冷凍それぞれで調べてみました。
手作りの干し柿の場合、常温では通常2〜3日が期限になります。
「干している果物」なので、他のドライフルーツと同等に「数ヶ月から半年くらい持つのでは?」と思うかもしれませんが、水分をほどよく残してやわらかい食感の干し柿だと実はあんまり日持ちしないんですね。(市販品の干し柿だと30日ほどもつものもあります。)
手作りの干し柿を冷蔵庫で保存する場合は7日間程度、冷凍での長期保存は長くても30日を目安に食べ切ってください。
冷凍保存するときのポイントとしては、「密閉する」「小分けする」です!
1つ1つラップに包んでもいいですが、食べるときの手軽さを考えると小さめのジッパーバッグに1つずつ小分けして空気を抜いて入れておくことをおすすめします。
半年や1年と長期保存したくなるかもしれませんが、手作りは30日程度にとどめておくと美味しい干し柿を食べることができますよ!
ちなみに冷凍した干し柿を食べるときは常温解凍もできますが冷蔵庫での解凍がおすすめ。
時間はかかりますが、白い粉も保ったまま美味しく食べられます。
解凍できるまでに時間がかかるので、冷凍した干し柿を食べるときは半日〜一日くらい前から冷蔵庫に移しておいてくださいね!
干し柿の白い粉が溶けるとどうなる?
まわりの温度が高くなりすぎると、綺麗についていたはずの柿霜(しそう)が溶けてしまうことがあります。
この現象を「もどり」と呼ぶんですね。
ですが、上でもお話ししたとおり、この白い粉は元をたどれば「砂糖」のようなもの。
砂糖が溶けたら透明にはなりますが、食べたり飲んだりするには何も問題ありませんよね。
同じように柿霜も溶けてしまっても食べることはできます。
ただ、高温の場所に長時間置いておくと柿霜や出てきた水分のせいでカビが発生してしまうことがあります。
なので、解凍するときは常温よりも冷蔵庫でのゆっくりじっくり解凍がおすすめ!
カビが発生しなくても、溶けた柿霜がベタベタになって手についてしまうので冷えた状態での解凍がいいですよ!
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